前回は、はっきり話すことの大切さや、それが難しくなる原因について考えました。
この章では、はっきり話すための具体的な練習方法や応用の仕方について書いていきます。ぜひ参考にしてみてください!
第2章:具体的な練習方法と応用
明瞭に話すためには、日々の練習が欠かせません。この章では、はっきりと話す力を養うための練習方法を段階的に紹介します。
ステップ1:発声練習
目的
明瞭な発音を可能にするために、声の出し方と口の動きを強化することを目的とします。
方法
1. 深呼吸から始める
腹式呼吸を使って深く吸い込み、ゆっくり吐きながら「アー」と声を出します。声が喉からだけでなく、体全体から出る感覚をつかみましょう。
2. 音節を意識した発声練習
以下の順序で発音を練習します。
• 母音(あ・い・う・え・お)を大きく明瞭に発声する。
• 子音を加えた音(か・き・く・け・こなど)を繰り返し発声する。
• 「さ・し・す・せ・そ」や「ら・り・る・れ・ろ」など、特に曖昧になりやすい音を重点的に練習する。
3. 早口言葉の練習
「生麦生米生卵」や「赤巻紙青巻紙黄巻紙」などの早口言葉を、最初はゆっくり、徐々にスピードを上げて練習します。焦らず、音を一つひとつ丁寧に発音することを心掛けましょう。
ステップ2:録音によるセルフチェック
目的
自分の話し方を客観的に分析し、改善点を把握することを目指します。
方法
1. 自然な会話を録音する
3分程度、家族や友人と話している自分の声を録音します。
2. 分析する
以下のポイントをチェックします。
• 語尾をしっかり発音しているか。
• 聞き取りにくい部分はないか。
• 早口になっていないか。
3. 改善点をリストアップ
たとえば、「語尾が曖昧」「早口すぎる」など、具体的な弱点を書き出し、それを次の練習に活かします。
ステップ3:間(ま)の練習
目的
適切な間を取ることで、言葉の意味を強調し、聞き手に考える時間を与えます。
方法
1. 一文ごとに意識的に間を取る
たとえば、「この方法は(間)効果的です。ぜひ試してください。」というように、文と文の間に一拍置きます。
2. リズムを意識する練習
お気に入りの詩や短い文章を朗読し、自然なリズムで話す練習をします。リズムが均一だと聞き手が安心し、内容がより頭に入りやすくなります。
ステップ4:顔の表情を活用する
目的
顔の表情を動かすことで、発音が明瞭になるだけでなく、話し手としての魅力が増します。
方法
1. 鏡を見ながら話す
自分の口や顔の動きをチェックします。特に口が十分に開いているか、目や眉が自然な動きをしているかを確認しましょう。
2. 表情筋を鍛えるエクササイズ
「いー」「うー」の形で口を大きく動かす練習や、頬を膨らませたりへこませたりする運動を取り入れます。
ステップ5:リスニングと模倣の練習
目的
話し方が上手な人の技術を吸収し、自分の話し方に活かします。
方法
1. プロのスピーチを聞く
TEDトークやニュースキャスターなど、話し方が明瞭な人のスピーチを聞き、その話し方を分析します。
2. 模倣する
聞いた話を一部暗記し、自分で声に出して話してみます。このとき、音程や間、リズムを真似ることを意識しましょう。
次回は、はっきり話すことと合わせて意識できるスキルや、はっきり話すことでどんなメリットがあるのか、さらに具体的に取り上げていきます!